サンタフェから車を北へ3、40分走らせたところにチマヨ村はあります。
織物で有名な村です。日本でもよく見かけるオルテガやセンチネラの工房もここにあります。
ちなみに、オルテガってネイティブアメリカンと混同されがちのように思うのだけど、実際はスペイン系移民の一族です。オルテガ柄がナバホ族の織物柄とよく似ているのは、まあ、織り機の特性の問題もあるだろうし、ある程度インスパイアされたっていうのもあるだろうし。
ともあれそれぞれ特徴があって、かっこいいです。
Ortega's ウェブサイト
Centinela ウェブサイト
チマヨには、伝統あるメキシコ料理店「Rancho de Chimayo」もあります。
美味しい。チリが辛美味しい。ニューメキシコ名産のチリの中でも、チマヨのチリは特に美味しいそうです。
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スペイン系移民やネイティブアメリカンの文化に彩られたチマヨ村。
この小さな村に、サントワリオ・デ・チマヨ教会という、素朴なカトリック教会があります。
【住所】15 Santuario Dr, Chimayo, NM 87522
ここに「奇跡の砂」と呼ばれる、不思議な砂が湧き出ているらしいのです。
砂が湧き出る? 泉みたいに? ピンとこない。
よし、いっちょ行ってみるか。というわけで訪れてみました。(2013年訪問)
その日、太陽は烈々と輝き、乾いた砂が風立っていました。
周りに人はなく、移民が築いた土着の風情がそこはかとなく排他的で、足を踏みれるのをちょっとためらうぐらいでした。
礼拝堂の傍の小部屋に入ると、足元が砂地になっていました。
この砂を身体の悪いところに塗りつけると、悪いところが治るという言い伝えがあるのだそうです。
そんな「奇跡の砂」を求めて、小さな村の小さなこの教会に年間数十万人の人が訪れるのだとか。それでも砂が枯れずにあることもまた「奇跡」と呼ばれるゆえん。
誰でも自由にすくい取っていいみたいでした。
幸い当時の私は肩こりひとつないド健康体だったので、塗りつけるところに迷いまして。なんとなく頭にぱらぱら振りかけてみました。なんとなく。かしこくなるかなあと。今なら秒速で腰に塗る。(最近腰痛が)
サントワリオ・デ・チマヨ教会のすぐ近くに、サントニーニョ教会というこれまた小さな教会がありました。
教会の様式にあまり詳しくないのだけど、これはスペイン調なんでしょうか。なんともグッと心に迫る佇まい。
木組みの格子窓や、ロマンチックな花模様。鮮やかな色合いはメキシコ調にも見えて、ピンクベージュの土壁はプエブロ風にも見えて。
その傍には味のあるギフトショップも。
木製のクロスがたくさん。ひとつお土産に買って帰りました。
こういうスペイン調なのかメキシコ調なのか、とかく土臭さのあるデザインのものが好きなのです。
その日私以外に人がいなかったせいもあるのかもしれないけど、まるで時空を超えて異国の村に迷い込んだみたいな感覚でした。
心許なくて、もの淋しくて、旅ごころがこう、むくむく湧き立つ感じ。スナフキンの気分とでも言いますか。
チマヨ村、いいところでした。また行きたい。
(おわり)
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